話を聴くということ
4.質問のスキル (1/10)
先日、あるテレビ番組のインタビューを受けた知人が、こんなことを言っていました。
「“なんでも話して下さい!”っていうんだよね。それって、一番話しにくいよ。何を話してもいいんだろうけれど、逆に何を話そうかと考えてしまって、言葉が出なかったんだ。」
では、テレビ局のインタビュアーは、彼にどんな質問の仕方をしたら、いいショットがとれたのでしょうか?
質問のスキルなどというと、ひどくお勉強っぽい、つまらないことのように思えませんか?でも、何をきいたらいいのか、どういう形できいたらいいのかという普遍的なやり方を、ここで整理しておくことは、この先、お仕事でも、プライベートでも、とても役にたつと思うのです。これを意識してさらに経験をつむと、質問することが、どれほど広い範囲で強力な力をもちうるものなのか、実感する時がくるかもしれません。
質問の力は、ただ情報を得る、相手をリードするにとどまらず、人を成長させることさえできます。
今まで、一万人に近い方にセミナーや講演をさせていただいた経験から、人は適切に質問してさえあげれば、自分で気づき、成長していくことが相当できる、という確信をもっています。答えは、皆さんの中にあるのです。
また、よく“質問がでるということは、そのことについてかなりわかっているということだ”と言われますが、これも本当です。私も一度、皆目わからないテーマについて宿題を与えられ、解決しなければならないことがありました。その際、わかっていそうな方にきこうとするのですが、何をどうきいていいのかさえわからず、閉口したことがあります。その時は、WEBの検索エンジンに、とりあえず一つ二つ手掛かりになる言葉を入れて、出てくる大量な情報を片端から読み、膨大な無関係な情報の中から必要な情報を見つけ出し、その中から次の“言葉”を得て、さらに検索エンジンにかけていく、という作業を繰り返しました。
およそ人に質問しようという時は、せめて的確な質問ができる程度に下準備をする必要がある所以でもありますね。