あなたの人生を輝かせるコミュニケーションの力
話を聴くということ

1.聴くことの威力

ビジネス書のコーナーに行くと感じるのですが、プレゼンテーションや話し方について書かれた本は非常にたくさん出回っていますが、聴くことについての本は、それに比べてかなり少ないのです。今の時代、主張しなければならない、上手にプレゼンテーションをしなくては勝ち抜けないと皆が思っているのだろうな、と考えられます。

反面、話し手には、どうしてもきき手が必要ですから、逆に今の時代に聴く力、聴くスキルを身につけたならば、これはとても強力な武器になるのだろうと思うのです。日常、話す仕事をしていてつくづく感じるのですが、きき手しだいで、話し手のパフォーマンスは相当違います。もちろんプロですから、たとえきき手が埴輪であれ、必要なことはきちんと話します。けれども、きき手が一心にメモをとったり頷いたり、次々と質問をしてくれたりすると、これは、もう、このチャンスに、何もかも伝えきろう、と非常にエネルギーが沸いてきます。セミナーは、双方向のライブなのです。きき上手な方は、得をするものです。

実際、聴くだけで(スキルとしての聴く力を発揮することで)、こちらの思うように交渉を進めたり、物を売ったり、異性を口説いたりしてしまう方もいらっしゃいますね。

聴くことが上手になると、コミュニケーションの中で、いろいろなことが起こってくることに気づきます。こちらが熱心に耳を傾けていると、相手は楽しい気分になりますね。誰でも、自分に注目されることは嬉しいですから。相手が楽しい気分になって盛り上がってくると、こちらまで楽しくなります。そうすると、相手から、欲しい情報や有益な情報がどんどん引き出せます。そういうコミュニケーションのとれる方は、まわりの皆から好かれますね。好きな人には、心を打ち明けますから、相手をより深く理解することができます。そうなってくると、もう、共通項がなくても話がはずみ、さらに相手がリラックスしてしゃべるうちに、相手の中に“気づき”が起ってくるのです。
| 1 | 23456789101112131415話すということへ