あなたの人生を輝かせるコミュニケーションの力
話すということ

8.立ち居振舞い

最後は、立ち居振舞いです。メラビアンの法則によれば、準備した資料(言葉)は7%、話し方(声の調子)は38%でしたね。そして、立ち居振舞い(態度、表情)は、55%です。

この代表的なものは、アイ・コンタクト、表情です。ごく自然な表情で、ごく自然にきき手に視線を合わせてお話すればいいのです。

セミナーでロールプレーをしてみると、アイ・コンタンクトは、きき手と話し手で、かなり温度差のあるものだと感じます。

きき手からみてそれがあったと感じられるためには、全体の約70%の時間をきき手と視線を合わせるために使い、それもただ視線を投げるのではなく、一つの文を言い切るくらいの間、一人の方としっかり視線を合わせ、それをすべての方と行って初めて、“このプレゼンターは、アイ・コンタクトをしてくれた”と感じるのです。

これは、話し手にとっては、慣れないうちは、かなりの負担になります。全体の70%もの時間きき手に視線を合わせるということは、資料に眼を落とす時間は“ほとんどない”と感じられます。また、プレゼンターにもクセがあり、右の方ばかり向きがちな方、前の方ばかりと視線を合わせがちな方、ニコニコしてうなずいて下さる方をどうしても見がちな方など、さまざまです。初めのうちは、視線を合わせやすい方に合わせ、慣れてきたら、すべての方に合わせてみましょう。ソーシャル・スタイルを学んだあなたなら、微笑を浮かべてうなずきながら話をきくのが快適な方、無表情で静止しているのが快適な方がいらっしゃるのを知っていますね。
また、体に自然な動きがあった方が、きき手はききやすいものです。立っている場合には、ホームポジションを決め、最初と最後のご挨拶や、ポイントを話す時は、そこに静止して立つ、それ以外は自然に動くとメリハリがつきます。その際、自分の体が、スクリーンやボードをふさがないように気をつけましょう。ちなみに、ホームポジションを決めるときには、きき手のどなたとも正中線が合わないように気をつけます。

さらに、これはプレゼンテーションに限りませんが、お辞儀や歩き方は、印象に大きく関係します。明るい表情で背中を丸めず腰から綺麗に頭を下げ、一呼吸置いてゆっくりもどす、背筋を伸ばして腰から歩くというそれだけで、どれほど日本のビジネス・シーンが美しくなるだろう、といつも思うのです。
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