納得していただくということ
1.創造的問題解決法
コミュニケーションの中で、お互いの望むものが異なり、意見がぶつかり合うことがありますね。今まで、二人で協力し合って、生産的で心地よいコミュニケーションを創りあげていたのが、今は、まるで二人が対立関係になってしまったように感じます。
こうなると、少しでも自分の得るものを多くしたい、失うものを少なくしたい、という気持ちが働き、ますます二人の溝は、深く大きくなってきてしまいます。そのまま進めば、さらにお互いが相手から奪ってでも自分を守りたい気持ちになり、今まで築いてきた信頼関係も崩れ去ります。その結果、奪われた方はもちろん、奪った方も心から晴れやかにはなれず、お互いに疲労感、敗北感、後悔の念、罪悪感、自尊心の傷つき、喪失感などを味わうことになります。
人は、長い間、このような解決方法しかないかのように感じてきましたが、ある方々はそうではない解決方法をとっています。それは、どんな解決方法なのでしょうか?
このような対立関係に陥った時、このまま進めばまたあの消耗な奪い合いになる、とお互いが気づき、一呼吸置いて、問題を解決するのはお互いの智恵しかないことを思い出し、お互いが一つの問題を解決する協力者だという認識をもつことができたなら、違う方法がとれるかもしれません。
そして、お互いが共通に望むのものがその問題の解決であるならば、二人で協力して智恵を出し合い、可能性のありそうな解決方法をいくつか考え、その中で最もよい方法を協力して選び取り、お互いがそこで得られるものを共に考えていくことができるでしょう。
もし、そういう解決方法がとれれば、対立関係で奪い合いをするより、より大きな価値を二人で創りあげていくことができます。また問題を解決した後の二人は、協力して困難なことを成し遂げた仲間として、より強い信頼関係で結ばれ、相手に対しては敬意が生じ、自分に関しては自尊心が高まります。疲れきっている今の時代に、どうしたらこんな解決方法がとれるのか、ご一緒に考えてまいりましょう。