あなたの人生を輝かせるコミュニケーションの力
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2.あなたを満たす10のメニュー

それをすると、あなたの心が、フッフッと喜ぶことは、なんでしょうか?誰かの手を借りることもなく、ほとんどお金もかからず、手軽にできるのだけれども、なかなか日常できなくて後回しになっている、そんなことを、10項目挙げて下さい。たとえば、

 映画を見る
 朝少しだけ早く起きて心をこめて挽いたコーヒーを出勤前にゆっくりと飲む
 いつもよりワンランク上のランチをとる
 小さな旅をする
 エッセンシャルオイルや薔薇の花びらを浮かべたお風呂に入る
 自分のために花を買う
 マッサージに行く
 髪型を変える
 星を見る
 シャンパンを開ける

些細だけども、ちょっと嬉しい、自分への小さなギフトのようなもの、心がフッフッと喜ぶもの。

書けましたか?やってみると気づくのですが、これはなかなか10項目、出てこないものです。3つ、4つで止まってしまう方、途中から、“やらなきゃいけないこと”が入ってきてしまう方。たとえば、同じフィットネス・クラブに行くのでも、それが自分へのギフトになる方と、減量しなければならないなどの理由でタスクになる方がいらっしゃいますね。後者の場合は、この項目には入らないのです。

それから、友人と食事に行くなど、誰かの手を借りなければならないことは、入れません。また、あまりお金のかかることもふさわしくありません。かかっても2、3千円までのものが適切です。(だから、シャンパンは、ハーフボトルですね。)

さあ、10項目挙がりましたか?そうしたら、今度は、それを一項目づつ、名刺くらいの大きさのカードか紙に書いていきます。準備はここまでです。明日から21日間、朝起きたら10枚のカードをよく切って一枚引きます。そして、そこに書かれていることを、その日、自分のために、時間をとって、心をこめて行います。

もし、たとえば“映画を見る”を引いたとします。ところが、その日は、一日会議が入っていて、映画館には行かれないとしますね。そういう場合は、その“もどき”をします。帰りにビデオショップに寄って借りて見たり、お昼休みにコンビニで「ぴあ」を買い、いつもは片手間にしか読めないけれども今日は時間をとってすみずみまで読んで堪能し、次回行かれる時に備える、などです。

小さな旅は、仕事の帰りに、一駅手前で降りて歩いてみるのもいいですね。都会のオフィスで果てることのない仕事に追われて疲れきっていた時、私のリストに、“森へ行く”“水と遊ぶ”“風に吹かれる”などが並んだことがありました。ある朝、引いたカードには“森へ行く”とあります。ここ何ヶ月も、日のあるうちにオフィスを出たことがないのにどうしよう、と思いながら一日は過ぎてゆき、もうすぐ日没という時間になりました。ともかく21日間続けることが大事だから、と、意を決してオフィスを出て、タクシーに乗りました。青山のオフィスから15分もかからないところに皇居があり、隣接する北の丸公園には、ちょっと入ると森のような小径もあったことを思い出したのです。日が暮れかけて、あたりにブルーグレーのベールがかかり始めたころ、小径に足を踏み入れた私は、そこで何かが自分に起ったことを感じました。意識で把握したり言葉にするより先に、なぜか涙があふれました。

また、“水と遊ぶ”を引いた朝は、仕事を早めに切り上げて、車を西に走らせ、滝を見に行こう、と思いました。ずっと滝が見たかったのです。ところが、夜の10時半にやっと仕事を終えた時には、外は暴風雨、そこで滝に行くことはあきらめ、オフィスの中で水と遊ぶことにしました。蛍光灯を消してフロアランプと蝋燭を灯し、綺麗な陶磁器とオフィスのそこここに置いてあるいろいろな色をした小さな石を集めてきて、ピッチャーに水を満たして置きました。そして、陶磁器に石を並べては水を張り、それをいくつか集めて庭園のようにしては、また並べ替え、気のすむまで遊んでいるうちに、いつになく潤って豊かな気持ちになったのです。たったそれだけのことなのですが、不思議に十分に満たされたのでした。
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