あなたの人生を輝かせるコミュニケーションの力
関係性から離れる

4.知るということ

そのように不可解な恐れに全体が支配される背景には、大切なことが伝えられず、智恵が絶たれていることがあるように思うのです。

たとえば、検索エンジンで「出会い系サイト」と入れると100万件近くヒットします。このような歯車の食い違った異性の求めようは、そこに、人が生きていく上でのとても大切な価値がありそうだ、けれども、本当のところが封印されていて正しく把握できない、という状況で何かを求めて右往左往しているように思えてなりません。そして、自分のおかれている状況を客観的に認識することができないので、いきおい、その大きなエネルギーに翻弄されてしまっているのです。

人が本当の自分になっていく時、セックスは、その大きな要素の一つです。人が自分の思考、感情、肉体、そしてさらに高次の精神的なものを共有できる相手にめぐり合い、五感プラスαが満たされている状態を共有することが、どれほど心と体に癒しをもたらし、大きなエネルギーを生み出し、流れを整えていくことになるか、他のなにものにも替えがたいものがあります。

でも、そのようなシンプルで普遍的なことは、伝統の中で、なぜか親から子には伝えられず、まともな場で会話やディスカッションされることもなく、十分な言葉ももたず、それが何かもわからず、まして自分の中でどう位置付けたらいいものやらわからないまま(わからないことに気づきもしないまま)、いいかげんなセックスをしたり、バクチのように結婚しているのが現実のように思えます。

人は古くからその特異な重要さを知っていて、インドや中国の古い教えの中ではきちんと扱われていたようですが、いつからか智恵が絶たれたことを不思議に思います。そういったことは、セックスだけではなく、自然との調和の仕方や、自分の意識では把握できない部分の自分との関わり方、経済の裏の流れなど、いろいろあります。

まるで全体が黒いシールドにすっぽり覆われた中で、それでも精一杯幸せになろうともがきながらも得ることはできずに人生を終えなければならない、そんなありように同意するのはもう止めたいと思うのです。
123 | 4 | 夢を育てるへ