4つのスタイル
6.自分が知っている私、人から見た私
さて、各スタイルの特徴、大まかな印象を掴んでいただけたところだと思います。そして、私は、このスタイルかしら、と思い始めていらっしゃる方も多いことでしょう。
人は誰でも、さまざまな要素をもっていますから、どのタイプの特徴の中にも、“これは、当てはまる”と思う記述があって、自分のスタイルを決めかねていらっしゃる方もいるはずです。そういう場合は、その中でも、より多く人に見せている姿を思い浮かべ、当てはまる記述の多いスタイル2つを、ご自身のスタイルと思って読み進めて下さい。調査用紙で測定する場合にも、結果は、その方のメインのスタイルに、もう一つ、サブのスタイルがつきます。ですから、4つのメイン・スタイルに、さらに4つのサブ・スタイルがついて、全部で16種類のスタイルとなります。
メインとサブが同じスタイルの場合は、むしろ少数派です。これをなかば冗談に、"生粋のエクスプレッシブ/感覚派"などと呼んで、そういう方に、ご自身の普段の行動パターンをお話ししていただくと、まさにソーシャル・スタイルが示す通りで、驚きます。ある時、生粋のエクスプレッシブ/感覚派の方に、"衝動的だとか、衝動買いをする、などと言われていますが、ご本人としては、どう感じますか?"と質問したことがあります。すると、こんな風に答えて下さいました。"たしかに、人から見たら衝動的に見えるでしょう。買い物でも、高いものほど、パッと買いますね。でも、それで後悔することは、あまりないのです。たまに、アナリティカル/思考派の家内に、すこし考えてから買ってね、と言われて、考えてから買うと、逆に失敗します。だから、自分では、衝動的といわれても、変えるつもりはないのです。"
これが、まさにスタイルなのだ!、と感じました。つまり、人から見れば、望ましい行動とは思えない"衝動買い"も、ご本人にしてみれば、今までの人生の中で最もうまく、効率よく、買い物ができたやり方なのですね。そういったさまざまなやり方の集大成が、ソーシャル・スタイルなのです。ですから、どのスタイルが望ましい、とか望ましくない、ということ自体、意味がないのですね。そのかたの、ものごとをこなしていくやり方の、コンフォート・ゾーン、もっとも快適なありようの集大成なのです。