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8.人との違いを知ることで見えてくるもの

さて、今までのところで、人には、それぞれ異なる行動パターン、コンフォート・ゾーンがあることを知りました。人は、自分にとって一番居心地のいい、効率のいい行動パターンを自分のスタイルとして身につけているのでしたね。その行動パターンのなかでは、自分の強みが発揮しやすく、貢献することが容易にでき、しかも生き生きとできるのです。

反対にいえば、人は、自分と違う行動パターンの方に対しては、時に違和感や抵抗感をもち、近づきたくない、好きになれない、という印象を持ってしまうことも、多いわけです。皆さんも、今までなんとなく反りの合わない方、虫の好かないヤツ、できればご一緒したくない雰囲気の方って、いましたよね。今にして思えば、自分とはちがうスタイルの方だったのだなぁ、という洞察をお持ちになった方もいらっしゃることと思います。

そういうことに気づいた皆さんは、これから先、まわりの方とお付き合いしていく時に、好き嫌い、反りが合う合わない、虫が好く好かないという主観的な判断をする前に、その方の言動をそのまま受け止め、“ああ、このやり方が、この方には快適で安心できる方法なのだなぁ”と、いい意味でほっておくこと、気にしないことができるようになります。

けれども、このご本をお読みになっていない多くの方々は、自分と異なるスタイルには、あいかわらず違和感や抵抗感をもち、そこで理解する気持ちをシャットアウトしてしまうこともあり、そうであれば、皆さんの強みを理解するまでに至らないことも、多いのです。

とすれば、皆さんとしては、自分のスタイルが、他のスタイルからどう見えるのかを、きちんと認識し、その上で、誤解されることなく強みを活かしていくには、どんな工夫をしたらいいかを考える必要があります。

そのためには、相手のスタイルを知って、そのスタイルが大切にすることを理解し、それに対する配慮をするとよいですね。その具体的な方法を、次に見てまいりましょう。
| 8 | 第2章 自分を育てるへ